背徳 私的領域 使い分け

 

 

 ブログ運営氏ははるかぜちゃんを評して『お世辞を嫌って無遠慮に振る舞うのは、多動性が原因である。落ち着きが無く距離だけは縮めたがる人間が、こういうことをするのである。』『はるかぜが本音にこだわるのは、裏まで気が回らないタイプで、人間関係の機微が見えてないだけとも言える』と言っている。これは最近話題になっている「どぶろっくのギャグは女性差別だ」と主張する人々にも適用できる。フィクションの裏の意図やフィクションの文脈が理解できず、フィクションの表象だけをすくい取って、「みんなはマジでこれに熱中してる!」と思い込むタイプである。みんなでサバゲーしていたらそれを見て本物の銃で参戦しようとする人間である。空気が読めないのでガチ勢にならざるをえないのである。

 

 フェミニズムの世界には、「男の性欲が一切理解できない」タイプの女性が珍しくない。この手の女性が男のオナネタに口を出すとロクなことにならない。女子高生モノのAVを見ていたら、「じゃああなたは通勤中も女子高生に興奮してるんですね!?」陵辱モノを見ていたら、「じゃああなたは自分の奥さんにもこういうことをするんですね!?」と一事が万事この調子であり、男がAVをマジで見ている・本気で信じ込んでいると彼女たちは思っているのである。そういう人は、たとえば人間にとって「好きな人とやるセックス」と「一回きりの相手とやるセックス」が全く別ものであるということも知らない。

 

 性欲を理解できないということは、私的領域を理解できないということでもある。私たちには、秘密でやるからこそタノシイことがある。暗闇でやる趣味がある。しかしそれが何かの拍子に公の場にはみ出してしまうことがある。例えば芸術家やお笑い芸人、とにかく表現活動をする人たちというのは、それを意図的にはみ出させて表現活動をすることがある。そしてそういったはみ出した部分がおもしろさや価値に繋がるのである。

 

 私たちはそういうはみ出しを見て、「このはみ出しはどういう意図なのか」「社会的に許されるか許されないか」を随時判断している。「ネタなのかマジなのか」をその都度吟味して楽しんでいる。「はみ出し」だと解かっているのである。ところがそういう判断のつかないバカというのは、AV通りのセックスをやろうとするし、ロリ漫画を見て本当に幼い女の子を誘拐してしまうわけである。

 

 そういう人間はつまりサバゲーに本物の銃で参戦してくるアホなのである。ここで、フェミニズムの見解は2つに分かれる。「サバゲーが楽しいのはわかるけど本物の銃を使ってると思うバカもいるんだから隠れてやれ!」というタイプと、「そもそもサバゲーが楽しいなんて殺人衝動の表れじゃん。そいつら皆殺しにしろ!」というタイプである。この「皆殺し!」というタイプの人間は、自分が私的領域で楽しいことが無いので、他人もそうだろうと思い込んでいる。また、私的領域で楽しいものがふと公的領域にはみ出してしまう、という現象もこれまた理解できないのである。

 

 つまり、この「皆殺し!」タイプはサバゲーに銃で参戦して来るアホと同じで、空気が全く読めないのである。「サバゲーを楽しむ人間は危険分子だ!」と思う人間と、サバゲーを見て「俺も本物の銃で参加する!」と思う人間は、「サバゲー」という戦争モノの「お芝居」が理解できないので、つまるところ両者は同一種なのである。

 

 私たちが顔を使い分けてるということがわからない人間は、しばしばそういった原理主義(ガチ勢)になりやすく、我々はそういった人間に対してきちんと「これはお芝居だよ」と説明することが必要であるし、また社会的正義にそぐわない私的趣味を公的な場であまりにも過度にはみ出させている人間に対する注意も必要である。たとえば、鼻血が出るほど殴られるのが好きな女性が居たとして、それはその人の趣味だから自分の家の地下室で好きなようにやれば良いが、間違っても公園やレストランでやったり、またその女性の子どもの前でやることも許されてはいけない。いくら実の子であったとしても、そういう光景を見せることは許されない。そこには社会が介入すべきである。

 

 私は「お芝居だよ」が免罪符になるとは思ってはいない。社会に悪い影響を与えたり、人の心を傷つけるものが、「お芝居だから」という理由で野放しになっていることも知っている。しかしだからといって、全てのお芝居を、空気を読まずに無分別に規制してしまえば、私たちの社会はとても暗い、笑いの無いものになると思う。であるから、「このお芝居は社会にどのような影響を与えるのか」「このお芝居によって誰が傷つくのか」についてはみんなが深く考えて行くべきだし、そういうことを考えられる人間こそがフィクションを楽しめるのだと思う。だからそういうことを私はこれからも考えて行きたい。

 

 

 

 

 

 

はるかぜ。親しさの誤認。お世辞嫌い。自覚のない無神経。

http://ukdata.blog38.fc2.com/blog-entry-2966.html

 

 

「どぶろっくと痴漢の関係」を読んで

http://anond.hatelabo.jp/20140820015153