正義はなされよ,よしや世界が滅ぶとも

 

 

 フェミニズムを推し進めれば、とにかくそれが無条件で常に女性の利益になっていた段階・時代というのは確かにあった。ところが、そのフェイズを過ぎると、今度は、「これ以上フェミニズムを進めるには女性が変わらなければいけない」「女性が不利益を被らなければこの先に道はない」「女性が痛まなければ先に進めない」という状況になってきた。この問題は女性の自立を希求するフェミニズム運動(いつか男から独立して自分自身でやらなければならないという運動)の前にいずれ必ず立ちはだかるであろう問題(必然的帰結)であったし、誰かの悪意によって生まれたわけでもないので、誰かにやつ当たりできるものでもない(悪いのは論理である)(「この問題=『女性が痛まないとフェミニズムが進まない問題』を解決するために男性がもっと頑張ればいいじゃない!」という言説は、結局はフェミニズムが「男性の運動」「男性頼みの運動」「男性は神」であることを白状してしまうことになる)(そしてそもそも男性がどうこうできる問題でもない:男性には手の出し様が無い)。ここで女性たちはどうすることもできず、先進国のフェミニズムは停滞してしまった。

 

 

 「正義はなされよ,よしや世界が滅ぶとも」という言葉がある。「もし正しいことをした結果世界が滅ぶとしても、あなたは正しいことをしなさい」という意味である。「義務論」という思想を端的に表す言葉だ。さて、ではフェミニズムが義務論の立場に立てるかというと、立てないわけである。「フェミニズムはなされよ、よしや女が滅ぶとも」とは言えないわけである。フェミニズムは女性の利益に反することはできないのだから。フェミニズムは女性のために女性の自立を追い求めてきたのに、その「女性の自立」が「女性」の破滅を招くしかないのであるのならば、これはなんとも皮肉な話であるし、重大なパラドックスでもある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はてなブックマーク - 性別を女性に変更して10年ほどが経った

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『動物を救いたいというベジタリアンは動物を救っているんだろうか』

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