「このままネオリベラルに付き合ってたら女は死ぬぞ。」っていうのはちょっと想像力のある人ならわかるわけで。つーか、今まで男が使い捨てられていた世界が、男女平等によって、女も使い捨てられる世界になったわけで、そうなったときにフェミニストたちが「これはヤバい!」と気づいただけなんだけどね。
いや男女平等ってそういうことやろうと。敗者はいろんなものを失うと。男はずっとそれをやってきた。で、ネオリベの力によって女の人が男のステージに上がって来たときに、フェミニストたちがカラクリに気づいて「なんだよ!アタシら使い捨てられるのかよ!」って怒り出した。でも、それを承知でネオリベと手を組んで来たんじゃないの?「自分だけは使い捨てられない」と思ってネオリベと仲良くやってたの?ようわからん。あと、共産主義でもダメでネオリベラリズムでもダメっていうのなら、じゃあフェミニズムは何なら満足するんだろう、とも。
ヨーロッパのように労働時間を短縮し労働時間に制限をかけるのは日本人にとっても悲願ですよ。ただ、ヨーロッパがそれをやれてるのは移民を受け入れてるからなんだよね。じゃあ日本も労働時間の短縮・制限のために移民を入れるのかって、そんなことに本当にできるの?ってのが俺にはすごく疑問。神経質な日本人には無理やろうと。というかまず、「労働時間の短縮・制限」と「移民受け入れによって起こる様々な問題」を天秤にかけたときに、全然釣り合いがとれてないだろうと。というか日本の場合、移民を入れて、さらに日本人の労働時間は減らないというトンデモ展開をやりかねない。つーか労働時間が減るっていうことは給料が減るってことだぞ。
移民の話は置いておくとしても、最近のフェミニストたちの「話が違う!」という怒りっぷりは、要はネオリベによって女性が男と同じ土俵に立ち始めたということに過ぎないんだよね。で、その過酷な男社会に目ん玉が飛び出て「男は働き過ぎです!働くのを止めなさい!」って言ってるわけだ。そうすると Naoki Takahashi さんみたいな自営業者たちから「おめぇらよぉ都合よすぎるんじゃねぇか」という意見が上がってくるわけだ。この衝突は必然だったと思うんだよね。 Naoki Takahashi さんは男よりも女の人の方が優れている仕事の領域がいっぱいあることを認めてる。でも、だからって男も淘汰されっぱなしではないと。必ず攻略法を見つけて、女から仕事を取り返しに来るだろうって。働かなきゃ生きていけないもんね。で、それってネオリベ的には正当なやり方なんだよ。そういう終わりの無い、際限の無い競争が資本主義の本質なんだから。
そういう資本主義や自由主義の「ああ言えばこう言う」的な本質を知らない左派・リベラルが多すぎる。規制や自由化によって起こる「意図せざる結果」に無頓着すぎる。「ほーらマングースたちハブを食べなさ~い!」って言ったけどマングースはハブなんか食べなかったんだよね。マングースはハブより弱い生き物だけを食い尽くしちゃった。あと、「魚を獲るのはやめなさい!」「魚は獲っちゃダメなのか・・・そうだ!木を切ろう!」→ 森林破壊、というシナリオのアニメもある。それと同じように、今のフェミニズムは完全に行き詰まってる、意図せざる結果に苦しめられてるように見えるんだよね。専業主婦志望の女の子が増えるなんて、フェミニズムの敗北でしかないでしょう(そして今の若い女の子はもう専業主婦になれない)。
進化生物学的にっていうかゲーム理論的に見ても、どうもフェミニズムのやってることには先が見えない。いったいフェミニズムはこれからどうするのか、これからも注意深く見守りたいと思います。
タイラー・コーエン 「『意図せざる結果』コレクション」
移民は本当にキツい仕事だけやってくれるのか
http://ukdata.blog38.fc2.com/blog-entry-2828.html
資本主義が競争(の加速)を永遠に止められないという大前提が腹落ちしてない人には賛成出来ないだろうな。
http://b.hatena.ne.jp/yuki_chika/20150212#bookmark-241535363
「男が下半身でものを考えなくなったときに~」議論まとめ
ナンシー・フレイザー「フェミニズムはどうして資本主義の侍女となってしまったのか」
http://thirdfemi.exblog.jp/23471355/
水はひび割れを見つける