Aちゃんは言っても良いけどBくんは言っちゃダメ

　「Aちゃんは言っても良いけどBくんは言っちゃダメ」は無意味だって前に言わなかったか？　「Aちゃんが言うぶんには良いけどBくんが言うのはダメ」っていうのは、それはただAちゃん勢力の気持ちが良くなるだけであって、現実的には全く無意味だよ。例えば、AちゃんとBくんはライバルです。でも、AちゃんもBくんも「宝石は綺麗だ」って思ってて、それがおもしろくないAちゃんはBくんの発言を禁じて、Aちゃんだけが「宝石は綺麗だ」って言い続けてる。でもそれだと、Bくんがいくら黙ってても、「宝石は綺麗だ」っていうメッセージは社会に発し続けられる（Bくんの口をふさいでもBくんの意見はAちゃんが代弁してくれてるよ）。それに、「そんなことないよ！宝石は醜いよ！」というアンチ宝石勢力が現れたときに、AちゃんはBくんに援助を求めるだろう。「あたしと同じ意見を言って！」って。そしたらBくんだって「宝石は綺麗だ！」って言い出してしまうわけで。これもまた、最初にBくんの口をふさいだ意味が全く無くなってしまうよね。

　Aちゃんの失敗は、そもそもBくんと価値観を共有してしまっている点。価値観を共有してしまっているなら、いくらBくんの口をふさいだところで全然意味が無いのよね。AちゃんはBくんの代弁をし続けるし、緊急時にはBくんを頼らないといけない。AちゃんがBくんに勝利するためには、そもそもBくんとは全く違う価値観について話さないといけなかったの。